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京都駅からタクシーで泉涌寺へ。冷たい雨で昼前だというのに薄暗い境内。仏殿の天井から吊るされた涅槃図はとても大きく、床でについたところで折られて広げられている。
大門には戻らず北側の門を出る。右手に来迎院の門が見えてきたが素通りさせていただき、今熊野観音寺を目指す。相変わらず暗い空から雨が降り続き、足元が冷たい。
鮮やかな赤い橋を渡って今熊野観音寺へ。子護大師など見どころは多いものの、またひとしきり雨が激しくなり、急ぎ足で向かった本堂で小降りになるのを待つ。
東福寺へ向かう途中で昼食に立ち寄れると当てにしていた店が営業していなかったので、九条通りまで出てお蕎麦やさんへ。暖かい店で温かい蕎麦をいただいてようやくひと心地。
東福寺へ向かう臥雲橋から眺める通天橋も雨の中で寒々とした景色。東福寺仏殿の高い天井から下げられた涅槃図をじっくりと鑑賞させていただく。
偃月橋を渡り即宗院へ。暖かい本堂から波ガラス越しに庭園を眺め、裏山の薩摩藩士東征戦亡之碑を目指したが雨に濡れた石段を見上げて断念。
お隣の龍吟庵へ。重森三玲作庭の迫力ある枯山水は、雨を得てさらに生き生きと見える。
六波羅門を出て光明院へ。こちらも重森三玲作の庭園。ほぼ貸切状態でゆっくりと鑑賞。
寒さと足の痛みがあまりに辛くて、夕食はゼストでお寿司を買って部屋で済ませることに。
これ、持ってきておいて本当に良かった...
地下鉄で鞍馬口まで。上御霊神社が近いので、まずはそちらにお参りに立ち寄る。
寺之内通を西へ。かなり足を引きずって歩いている。右手に妙顕寺、ひとまわり境内を散策。
今回も小川通側の仁王門から本法寺へ。本堂のお参りと等伯さんの像にご挨拶してから宝物館拝観へ。レプリカではない本物の長谷川等伯筆の涅槃図が鑑賞できるのを楽しみにやってきた。
幸い空いていたので、案内の方の説明を伺いながら間近でよく見ることができた。涅槃図鑑賞のために作られたスペースは、吹き抜けになった二階と一階から隈なく鑑賞できる。
さらに奥に回って巴の庭をゆっくり座って鑑賞。立ち上がるとき右脚に電気が走るような痛みが走る。なかなか良くならない...
堀川通でタクシーに乗り大徳寺へ。幾度か訪ねたが、本坊拝観は初めて。
芳春院拝観。呑湖閣のある楼閣山水庭園が美しいが、北向きの回廊は底冷えがする。
お参りを済ませてから...と思ったのに、東側からの参道には誘惑の声と芳香が待ち構えている! 一和のあぶり餅。
先にお腹を満たしてからのお参りとなった今宮神社。外国の方が白無垢と羽織袴の婚礼衣装で撮影している。
タクシーで北大路駅へ。ビブレでこの激しい痛みと冷えを少しでも楽にできそうなグッズを探す。もう薄手の春物が並んだ中で、セール価格になっている冬物のインナーや靴下を気休めに買い込み、食べそびれていた昼食がわりのパスタをただ機械のようにお腹に放り込んでホテルへ帰還。
かかりつけの整形外科病院に勤務する友人に連絡して、帰宅したら専門医の先生に診ていただけるよう手配を頼む。若い頃から脚には不具合を抱えてはいるが、このビリビリと痺れるような激痛は初めての経験。これはもしかしたら脊髄のどこかからきているのではないかなぁ...という不安。でもだからこそ今回の旅行は強行したのだ。もし手術ということになれば、もうこんな風に好きに歩き回ることなどできなくなってしまうから...(涙)
今日も冷え込む曇り空。ホテルからタクシーで真如堂へ向かう。その途中、昨日足の痛みで拝観を断念した大徳寺聚光院の創建450年記念特別公開のパンフレットを運転手さんが見せてくれた。
もう京都市内は梅も終わりだが、随心院の梅園はまだだいぶ咲いているという情報も聞かせてくれたので、真如堂拝観の後に行ってみることにした。
前回訪問時は東参道を上がって本堂裏手から訪れた真如堂へ、今日は正面の山門前に車をつけていただく。
本堂内陣の横に掛けられた涅槃図を眺め、裏手の廊下を渡って涅槃の庭へ。案内の方がいらっしゃったので、今回は涅槃図を拝見しに伺った旨を告げ説明をお願いして再び本堂の涅槃図の前へ。
タクシーと地下鉄で小野駅へ。とにかく脚がビリビリと刺されるように痛む!冷やすより温めた方が良さそうな痛さ。近くのコンビニで幸いまだ貼るカイロを売っていたので購入し、大腿部あたりに貼り、そろりそろりと歩いて随心院へ。まずは諸堂拝観。
境内にある小野梅園鑑賞。咲いているのはほとんどが紅色の梅。満開の時期を過ぎていたが、まだ十分きれいな枝もあった。こんな曇り空の下でなければもっと美しく見えるのだろうが...。ひと気のない緋毛氈の休憩どころに腰を下ろしたら、なかなか立ち上がる気力が戻ってこない。
脚の痛みのせいか昨日も今日も食欲がなく、また地下鉄の駅ナカのショップでただエネルギーを補給するだけのような食事をしてホテルへ帰還。
日が落ちるまでひと休みして東山花灯路へ。ホテルからタクシーでなるべく近づけるあたりまで直行。
だんだん人が増えてきた。写真もたくさん取ったので撤収。運良く客を降ろしたばかりのタクシーに乗れた。
河原町通でタクシーを降り、六角通りの「くいしんぼ」さんへ。食欲はあまりないがいつものように元気をいただく。
再びホテルに帰還。ベッドに脚を投げ出して摩っていると、痛むあたりが少し固くデコボコしたようになっている! 慌てて鏡で見ると、紅色のブツブツがたくさん。湿布を貼ったり剥がしたりを繰り返したからかぶれたのかとも思ったが違うようだ。他にも痛むあたりに沿うように広がっている。
ええ〜〜〜っ!これってもしかしてアレじゃないの?!
「じゃぁ診察はキャンセルしておきますから、なるべく早く皮膚科を受診してくださいね。」と友人は言った。おそらくこれは帯状疱疹。痛くて辛い病ではあるがきちんと治療してしばらく我慢すれば完治するはず。よかった。難解な脊椎の異変ではなかったことにホッとして、数日ぶりに深い眠りにつくことができた夜だった。
痛い旅も今日で最終日。朝イチで京都市内の皮膚科を受診しようかとも思ったが、先の治療のことも考えて早めに帰宅することにした。
いつも朝食は最上階のオリゾンテのブッフェだが、今日は静かに入舟で和定食をいただいた。慌てなくてもお昼頃の新幹線に乗れば自宅近くの皮膚科の診療時間に十分に間に合う。
荷物はいつものように宅配を頼み、チェックアウトを済ませてエントランスに出ると客待ちのタクシーの先頭がレクサスだった。これはラッキー! 乗り心地の良い高級車のシートに体を預け、面白い運転手さんの話を聞きながら京都駅八条口まで。はい二千万円になります、とおっしゃる運転手さんに一千万円札を2枚お渡ししする。車から降りてドアを開けていただき、見送られるのはなかなか良い心地だった。
滞在中で一番天気に恵まれた今日。夕方まで居られれば行きたいところもあった。残念だけれど仕方がない。のぞみ号のグリーン車にゆったり座って、まだお昼にもならない京都を後にした。
・・・・・
帰宅して受診。やはり帯状疱疹との診断。皮膚科の女医先生は、よくもまあこんな状態で旅行なんてできましたねぇ、と呆れていらっしゃった。帯状疱疹の診断で「ああ良かった〜」と喜ぶ患者も珍しいそうだ...
河原町通り側シングル
窓からの眺め
最上階レストランフロア。この花がいつも楽しみ。