神社の訪問記に今宮神社が多いのは、門前のあぶり餅が目当てでこの界隈を訪ねることになるからでもある。
きちんとお参りを済ませてからいただこうと思いつつ、東門側の参道から向かう際は、お店の方の笑顔と香ばしい煙の誘惑についつい負けて、先に立ち寄ってしまう。
はじめて訪ねた時、10本なんてとても無理！と思ったのに、きな粉と白味噌のたれに包まれた小さくてふわふわのお餅はあっけなくお腹に収まり、お代わりしたくなるほどだった。
今宮神社の風格ある門を背景に、元祖、本家と両側にあぶり餅の店が並ぶ参道は、よく時代劇でも見かける。あぶり餅をいただきながら表を眺めていると、着物姿の町娘やお侍さんが通りかかっても何の違和感もなく溶け込んでしまうように思える。