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適当に通りを折れて細い道に入り、多分この辺りだろうと目指した大報恩寺。しかし路地の行き止まりの塀越しにお寺の建物は見えるものの入り口が見当たらず、迷った挙句にご近所のおばあちゃまに案内していただいてたどり着いた。
真っ直ぐに伸びる長い石畳の先、国宝の本堂が見える。
昨年の11月に東京国立博物館で「大報恩寺 快慶・定慶のみほとけ」展に出向いた。展示演出の絶妙さや仏殿では叶わない距離や角度から眺めさせていただけることに感動しながら鑑賞したが、あくまでも「鑑賞」で「おまいり」ではなく、ほとけさまの前に立ちながら手を合わせることなく通り過ぎてしまったことをずっと悔やんでいた。もちろんその場で手を合わせて拝んでも支障ないのだが、誰もそのようなことをしている方がいなかったので何となく私もできなかったのだった。
そのお詫びに今度京都へ行ったらきちんと手を合わせてお参りさせていただこうと、こうして訪れてみたのだが...
東京での展示を終えた後、今は九州巡回中とのこと。うっかり確認不足で再会は叶わなかった。ちょっと落胆していたら、お寺の方に「ではぜひまたいらしてください」と声をかけていただいた。
また訪ねる時は迷わず来られるだろう。できればお亀桜の咲く頃に...
2019.4.24
紅葉の季節を迎えた東京国立博物館の奥に位置する平成館。
秘仏本尊の釈迦如来坐像を始め十大弟子立像、六観音菩薩像など、大報恩寺に伝わる慶派の鎌倉彫刻の仏像が一堂に展示された贅沢な特別展。みほとけたちは信仰の場を出て博物館の趣向を凝らした照明の下、『鎌倉彫刻の名品』と称される芸術作品として立っておられた。
後期は六観音菩薩像の光背が外した状態で展示され、失礼ながら背後に回って衣の間から覗く意外にも筋骨たくましいお背中を拝見することができた。
一番出口に近い位置の聖観音だけは写真撮影が許されており、終始スマートフォンのシャッター音に囲まれている。丁寧に和紙に挟まれた開催記念の2つの御朱印をいただいた。